容積型圧縮機とターボ型圧縮機の特徴

容積型圧縮機

容積式圧縮機とは吸い込んだ気体の容積を変化させること圧縮を行う圧縮機です。

容積型圧縮機としては以下のようなものがあります。

  • ピストン圧縮機
  • ロータリー圧縮機
  • スクロール圧縮機
  • スクリュー圧縮機

大雑把な動作原理は、

  1. 吸気口から気体を吸い込む
  2. 弁やローター形状等の機構によって吸気口との接続を切り気体を閉じ込める
  3. 気体の体積を縮めて圧縮する
  4. 吐出ポートを開けて排気する

のような流れです。

容積型圧縮機の特徴としては、

  • 回転数と流量の関係が安定している。
  • 往復運動・弁の開閉・摺動等によって振動騒音が大きくなり易い
  • 気密の為に摩擦を受ける摺動部が必要な為オイルが必要な場合が多い

のようなものがあります。自動車のエンジン、冷凍庫の圧縮機、エアコン用の圧縮機等、非常に広範な用途に利用されています。

ターボ型圧縮機

ターボ型圧縮機は吸い込んだ気体を加速(≒動圧を上昇)させた後で減速することで動圧を静圧に変換して圧縮を行う圧縮機です。

大雑把な動作原理は、

  1. 吸気口から気体を吸い込んで、動翼(インペラ、ローター等)によって気体を増速する
  2. 静翼(ステータ)、ディフューザ、ボリュート等によって気体を減速し圧力を上昇させる
  3. そのままディフューザやボリュートの後方に排出される

のような流れです。遠心式圧縮機等では動翼を出た時点で静圧もいくらか上昇していることが多い為、昇圧に関して動圧上昇→静圧上昇のように完全にプロセスが分かれているわけではありません。

ターボ型圧縮機の特徴としては、

  • 容積型と比べて大きさあたりの流量が大きく取りやすい
  • 回転数一定でも圧力に大きく依存して流量が変化する
  • 低流量域で失速によってサージングのような不安定現象が発生しやすい
  • 軸受の機構によっては摺動部が無くせる為オイルレス化出来る

のようなものがあります。大きさに対して大容量・大出力化がしやすい点から、プラントのプロセス用圧縮機、発電所の大型原動機、ジェットエンジン、大型冷凍機、ターボチャージャーといった用途に利用されています。

 

間違いに気づかれた方はご指摘頂けるとありがたいです。